なんでも屋 神…最終幕
「…俺の父親は、一体誰なんですか。」



自分でも声に力が籠もっていないと分かる、蚊の鳴くような掠れた声を絞り出すので精一杯だった。



「儂の親友じゃった男。名は神崎鷹臣。お前の名前は、奴の名字から取ったと聞いておる。」



電流が脳内を刺激したような衝撃…初めて聞いた父親の名前だったが、聞いた事が無い訳では無い。



何処かで聞き覚えが有る。それが何処でだったのかを思い出せず、妙な焦りが煩わしく感じる。



何処でだ?何時だ?もう一人の自分を恫喝するように声を荒げてみても、記憶の中からは見つけ出せなかった…。
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