なんでも屋 神…最終幕
「儂と鷹臣は、丁度神や黒沢ぐらい年が離れておってな。お前等を見ていると、昔の儂等のようで放っておけんのだ。」



そう言って俺の顔を見つめてきた神堂だったが、表情の暗さから確かに負い目を感じているのだと分かる。



「聞いた話しによると、依頼者が宇佐見だったから黒沢と対立したらしいの。悪い事は言わん。今回は勝ち目がないぞ。黒沢の奴は、本気で神を潰しにかかる。」



何かを言おうとしているのは分かるが、神堂は決してその何かを言おうとはしない。



俺に父親の名前を明かしたのは、頭ごなしに諦めさせるのは無理だと判断したからだろう。



「黒沢も一家の長に収まった事で、若い衆を食わしていく為に苦渋の決断をしたのだ。それを考えて、今回は神の方から引いてくれんか?」
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