なんでも屋 神…最終幕
最終幕第九章
暗い気持ちを引きずったまま[沙夜]を出ると、嫌みかと思える程に鮮烈な西日が身体を包んだ。



綺麗に敷き詰められた白石の砂利は、それぞれ思い思いの影を小山のように連ねている。



待たされていたマジェスティは、西日から夕日への変わり行く様子を、アルミ製の部分で湾曲を描きながら映し出し、黒塗りのボディにはラメを振りかけたように光っていた。



気分の悪さがどうしても拭えず、突っ伏すような形でハンドルの上に両手を付き、深い溜め息を一つ吐く。



何かを吐き出すような溜め息だと、自分でも気付いた。



何か…運命という名のレール、その向こうを見ている訳では無い。



近い将来、それも数日か数週間以内には確実に訪れるであろう、漠然とした恐怖。
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