なんでも屋 神…最終幕
「近い内に来るじゃろうと思っとったよ…。」



何時もなら元気な笑顔で迎えてくれる大さんだったが、今日は顔の半分に夜空を映し出しているように暗い。



「どうしたの大さん?何か有った?」



俺の言葉を最後まで聞かずに、大さんは黒く染まった砂の上に額を擦り付けた。



「神君には言葉では言えん程感謝しとる。勝手ながら友人だとも思っとるぐらいじゃ。じゃが…今回ばかりは手を貸してやれんくなってしまった…。」



俺の足下で小さな背中を丸めている大さんから、気配のした簡易住宅の方へ視線の先を向ける。
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