なんでも屋 神…最終幕
[トレイン]の前にマジェスティを停め、エレベーターに向かっている途中で踵を返した。



こんな気分のまま、事務所に一人きりで閉じ籠もるのは、余計に気分が滅入ってしまう。



コーヒーを一杯[トレイン]で飲もうかとも考えたが、無口なマスターを相手にするもどうかとメインへ歩いていく。



メインは毎晩賑やかだ。



賑やかな場所にでも来なければ、繰り返し訪れる退屈な日々の鬱憤に、皆押しつぶされてしまうと感じているんじゃないだろうか。



肩を組んで、何処の居酒屋へ入ろうか、それとも今日は最初からキャバクラに繰り出そうかと、上機嫌なサラリーマン。



しっかりと指を絡め合い、頼んでもいないのに熱帯夜の気温を上昇させてくれている、サーフ系とギャル系のカップル。
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