なんでも屋 神…最終幕
ブルー、ピンク、グリーン、イエロー、パープルと、今さっき灯り始めた、メインを彩るネオンも色を持たない。



看板を縁取る色を言い当てられるのは、無意識の内に見て記憶していたからだろう。



フィルターを通したようなモノクロの風景に、これから歩く一本の道だけが薄っすらと予想出来る。



家族じゃないから、友達じゃないから、知り合いじゃないから…肩が触れる寸前を通り過ぎていく。



だから自ずと、これから歩くであろう道筋が分かる。



それはきっと皆同じなんだろうが、違うのは意識してるかしていないかだけだ。



事務所に閉じ籠もらなかった結果が、言い表しようのない孤独感を、更に強める事となってしまった。
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