なんでも屋 神…最終幕
この街に帰ってきてからなんでも屋を始め、様々な人と関わりを持った。



今感じている孤独感は、言わばその代償とも言える。



大さんの所に手が回っていると言う事は、他の人の所にも手が回っているかもしれない。



暫くは行動を自重しようと思うのは当然ながら、何処まで[神堂組]の手が回っているのか分からない事が不安要素だ。



そんな事を考えながら少し歩いただけでも、黒いTシャツの中は汗で不快にベタついている。



エレベーターに乗り込むと、有り難くもないのに、未だ名残惜しそうに昼間の暑さを残していた。



存在意味をなさない換気扇の音が、テレビの向こうで行われている内戦のように、何処か遠くの事と感じて鼓膜に届く。
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