なんでも屋 神…最終幕
最終幕第十章
事務所内に流れる空気は乾いていた。



いや、俺の肌がじっとりと重たい汗を掻いていたから、そう感じたのかもしれない。



危惧していた誰かが潜んでいる気配はなく、それでも細心の注意を払いながら、事務所の灯りを点けた。



一回で点いた蛍光灯の光は、事務所の隅々まで照らし出し、一気に安堵感を齎した。



だが俺の視線の先は、蛍光灯の光も届かぬ銃口に釘付けのまま、爪先だけデスクに向けて歩を進めていく。



その途中で、視界に飛び込んできた煌めき…足下に視線を落とすと、その光は波間のように光を放っている。



その光を辿っていくと、ドアとデスクにぶつかった。



光の正体は、蛍光灯の光を浴びたテグス…。
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