なんでも屋 神…最終幕
この位置で吸うタバコが、[トレイン]のマスターが煎れてくれるコーヒーの味を思い出させた。



なんとか身体を凭れていた背凭れから起こし、ポケットから取り出した携帯で、[トレイン]の番号を表示する。



俺が[トレイン]へ電話を繋ぐ前に、転がしたままだった持ち主不明の携帯が、着信音を鳴らしながら震えた。



背面に出た表示は非通知…自分の携帯をデスクに置いてから、鳴り続いている携帯の通話ボタンを押す。



「…神か。」



低く短い声を発した通話相手は、聞き間違える事無く予想していた相手…。
< 286 / 447 >

この作品をシェア

pagetop