なんでも屋 神…最終幕
数ヶ月前に訪れた時と、寝そべった妖艶な女性のシルエットを写した看板は、何も変わっちゃいなかった。



ヘルメットを外すと、中国産の安いタバコや、此処で働く女性達のきつい香水の匂いが鼻を突く。



そんな匂いで溢れかえっていても、チャイニーズタウン全体が血の匂いを隠しきれていない。



日本のヤクザは、テレビや映画で見るような出入りなど、もうしない。



例えあったとしても、鉄砲玉が一人で突っ込むぐらいだ。



だがチャイニーズタウンでは違う。



三龍が統治していても、小さな派閥抗争はそこら中で起きている。



この場所でも警察の手は入るが、此処で長生きしたいのならば、密告と裏切りをしないに越した事はない。
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