なんでも屋 神…最終幕
結果として、警察は手を挙げるしかない。



流血事件や殺人事件は闇から闇へと…人々の記憶から消されていく。



今まで三龍とは関わり合いにならないようにしていた為、連絡先など知るはずも無い。



カーペットの禿げた、鼠色のコンクリートを足裏で蹴りながら、少人数しか乗れないエレベーターで三階を目指す。



三階でエレベーターを降り、黒木目に金色のノブが付いたドアの前で、その横に設置されているベルを鳴らした。



ドアの向こうを映す覗き窓で、微妙に人影らしきものが動いたのを感じ取る。



鍵の外れる音が聞こえ、開かれたドアから巨躯に無愛想を張り付けたような男が顔を出した。
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