なんでも屋 神…最終幕
八の字に布が垂れ、その奥は簡易的に作り出した個室の中で、中国人のホステスと客が身体を密着させている。



視線は真っ直ぐ奥だけを見つめ、左右で行われている行為には目もくれず歩いていく。



STAFF ROOMと書かれている黒木目のドアを開けると、また奥にスチール製のドアが有った。



その脇に立つボディーガードらしき男と目が合うと、ドアToドアで三龍が待っているであろう部屋に足を踏み入れた。



「お待ちしてましたよ。」



釈迦の手の平ではしゃいでいた孫悟空の気持ちが、今なら良く分かる。



近い内に俺がこうして訪れるであろうと、三龍はあの時既に確信していたのだろう。
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