なんでも屋 神…最終幕
組んだ手で口元を隠していても、口角が釣り上がったのを、俺は見逃さなかった。



「神さん、今は商談でしょう?敵意を剥き出しの相手と話しは出来ませんよ。」



心の中で舌打ちする…。



[神堂組]に先手先手を取られている事実が、俺に焦りを齎していた。



「ベレッタは使えなくなった。パラベラムの九ミリとマガジンか、全く別の新しい銃が必要なんだ。」



俺の話しを最後まで聞いた三龍は、デスクの上に置かれている電話に手を伸ばし、中国語で二、三話して受話器を戻した。



「少しお話しましょうか。飲み物も持ってこさせますから、其方のソファへどうぞ。」
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