なんでも屋 神…最終幕
最終幕第十一章
翌朝、日差しの強さで目が覚めた俺は、ベットの脇に置いてある合皮の鞄に目をやった。



昨夜の三龍の言葉が頭から離れず、快眠とは程遠い状態…微睡んでいたと言っても良いかもしれない。



俄には信じられず、一種の暗示にも似た言葉に、俺自身納得出来たような気もしないでもないが、納得してしまいたくなかった。



今夜は、この間まで冗談を言い合っていた人間と対峙しなければならない。



お互いに銃を携帯しているはず…使用した時点でどちらかが死ぬ可能性も有る。



最悪の場合は、お互い死ぬ。



だが三龍の言葉を思い出すと、不思議と恐怖感は薄れていく。



その考えは黒沢一樹に対してだったが、子飼いのノリに対しても僅かばかり影響を与えた。
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