なんでも屋 神…最終幕
「どうしたの神君?」



視線を地上に戻すと、白いナイロンのパンツに、黒い小さめなTシャツを腕でまくっている一葉。



化粧は落ちていないが、前髪の生え際に薄っすら汗を掻いている。



一葉のずっと後ろの方では、[FRG]の連中が休憩していた。



「別になんにもしてないさ。仕事も無いから、メインに来てみただけ。今は休憩中か?」



大きく頷いた一葉は、俺が引っ込めた左腕の空いたスペースに腰を下ろし、フェイスタオルで汗を押さえた。



特に話す事は無かった。



一葉と並んで座っているだけで、強ばっていた心が和らいでいく気がする。
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