なんでも屋 神…最終幕
より一層強く突きつけられたグロッグは、今にでも火を噴きそうだった。



ノリの引き結んだ乾ききった唇の端から、徐々に血が流れ出てくる。



乾燥しているのは、この逼迫した状況が生み出す緊張感だけでは説明が付かない。



この廃工場に来てからの流れに、どうにも引っかかるものが有り、俺の中で一つの仮説が立てられた。



その可能性は無いに等しいものだったが、強く否定出来ない事実が確かに有る。



それは、均衡を保ったこの状況…。



俺のスタンスは撃たれる前に撃つだが、ノリからは虚飾の姿勢しか伝わってこない。
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