なんでも屋 神…最終幕
他の病棟とは違い、未だ煌々と灯りが点いている緊急処置室。



その部屋へと続く扉の前で、お袋に肩を抱かれて泣いている一葉が居た。



「イトさんは!」



自分でも、緊急処置室にイトさんが居る事は分かっていた。



それでも、言葉が勝手に口を突いて出た。



一葉は俺が来た事にも気付かず泣きじゃくり、お袋は顔を上げて処置室を指した。



何人かの女姓看護師が出入りを繰り返していたが、時の流れが止まってしまったかのように辺りが静まり返る。
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