なんでも屋 神…最終幕
「神!」



お袋の一喝が鼓膜に届くまで、奏の親父さんを締め上げているという記憶さえ飛んでいた。



我に返ったように、親父さんの襟元から力無く手を離す。



走った所為で、自分の肩が大きく上下している事にも、今漸く気付いた。



奏の親父さんは、息を整えた後で深々とお袋に頭を下げ、それに答えるようにお袋も頭を下げた。



それを見た瞬間、一葉の悲鳴に近い泣き声が、一層大きく辺りに響き渡った…。



「神、一葉ちゃんの事を頼んだよ。」
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