なんでも屋 神…最終幕
死の前では皆平等なのだ。



それは俺や一葉、無惨な最期を遂げた最愛の妹…真美も変わらなかった。



誰も自分に何時死が訪れるかなど分からない。



ただ千里は、何時訪れるか分からない死の期限が、他の人より短く定まったんだ。



それが一葉には友人の、俺には依頼を断った人物の、死という言葉に直結する。



夕闇は言葉を交わす事の無い俺と一葉を飲み込んでいき、闇が死と言う言葉を飾りたてるようで、それがもの悲しく思えた。



陰鬱な空気が淀み、依頼を断った事に対する罪悪感が、ひしひしと俺の両肩に重くのし掛かる。



追い打ちをかけるかのように、暗闇から一葉の嗚咽が聞こえてきたが、俺の意志が揺らぐ事は無い。
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