なんでも屋 神…最終幕
「鍵を持って、閉じられていた真相の扉を開きに行く。」



部屋を出る時にそれだけお袋に言い残し、腰に確かなトカレフの硬質さを感じながら階段を下りた。



点と点が繋がって線となっても、バラバラだったパズルのピースが音を立ててはめ込まれていっても、俺の心には赤黒い憎しみの炎しか生まれない。



こんな事の為に何人の人が傷つき、何人の人が命を落としたのか…。



そう思うと、涙を堪える為に破顔していた。



表面では綺麗事を並べていても、一枚めくれば阿鼻叫喚の世界と同じ。



この国が迷走していると分かっていても、現実を突きつけられるのは酷だ。



荒々しく呼吸を続けているマジェスティに跨り、全ての真実を知る為にあの場所へと向かう。
< 362 / 447 >

この作品をシェア

pagetop