なんでも屋 神…最終幕
「そんなガキ相手に尻込みしてんじゃねぇ!」



威勢の良い声が聞こえた方に視線だけ動かすと、極細のストライプが入ったスーツを着た萩。



「そのガキに自慢のスーツを汚されたのはお前だろ。」



萩の眉間に定めていた照準を瞬間的に下げ、乾いた激発音が響いた後、萩が悲鳴を上げながら太股を押さえてのた打ち回った。



眉間をぶち抜いても良かったが、此処で死人を出して、乗り込んできた勢いを削がれるのを嫌った結果だ。



萩の苦しみに悶える姿を見て、誰かの唾液を胃に飲み下す音が、はっきりと鼓膜の奥へ届く。
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