なんでも屋 神…最終幕
「誰か萩を谷口の所に運んでやれ。神、俺の部屋で話しを聞こう。」



俺の横を若い衆の肩を借り、怨めしそうな顔で運ばれていく萩を見届け、黒沢一樹の後ろを歩いていく。



行き着いた部屋は、毛足の長い深紅の絨毯が敷かれた部屋だった。



最奥には王朝風のサイドキャビネットと、黒檀のデスク。



並べられたコニャックやシゴニャック、ワインクーラーに横たわるワインの総額は、サラリーマンの年収を軽く超えるだろう。



右手前に置かれた猫足のテーブルを挟むように、茶色い牛革のソファが置かれていた。



「鬼面を思わせる良い顔付きになったな。今なら俺も殺せそうか?」
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