なんでも屋 神…最終幕
神堂の張りを無くした肌を張り付けた顎先が、微かに引かれた瞬間を見逃さなかった。



…やはりな。



黒沢一樹は何も聞いていなかったらしく、小さく頷いた神堂を見て目を見開いていた。



「お袋に問い詰めても良かったんだが、あんたは自分の所為でお袋を未婚の母にしたと言った。俺には全ての歯車がそこから狂ったとしか思えない。さぁ、昔話を話して貰いましょうか。」



室内に訪れた静寂。



今まで闇の中だった俺の出生に隠されていた秘密…そこに光を照らすのは今なんだ。



「鷹臣の名を言ってしまったからの、時間の問題じゃとは思っとった。あれは儂が丁度今のお前、神くらいの頃じゃ…。」
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