なんでも屋 神…最終幕

「その頃の［神堂組］は明らかに低迷していた…神よ、それが何故だか分かるか？チンピラ上がりの儂達では、支えとなるバックボーンが無い。警察から叩かれるのは当たり前の話じゃ。」



誇れる事ではないが、今や立派な組織として、並ぶ者無しと目されている［神堂組］にも、そんな時期があったのか。



「そして鷹臣の持つ、人を引き付ける力…それはお前にも確かに遺伝しておる。落ち目になりかけの時に鷹臣に足抜けされるのは、［神堂組］が潰れるも同じじゃ。」



その時だけ、神堂の口が鈍ったように感じた…。



それが神堂が感じている負い目に直結するのだという事は、誰の目にも明らかだった。



「儂は二人の願いを聞き入れなかった。聞き入れられなかったんじゃ。だがある時、儂に妙案が浮かんだ。バックボーンが無ければ、バックボーンを作れば良いのだと…そもそも、その考えが間違いの元じゃったんじゃな…。」