なんでも屋 神…最終幕
何もする事がない時間を、ガレージでマジェスティの整備をしながら潰していく。



朝日から太陽へと呼び名を変える恒星が、隣近所の台所から漏れてくる朝食の匂いを、熱を帯び始めた風に乗せて運んでくる。



イトさんが居ない今、お袋に朝食を望む事は無謀とも言えるだろう。



自分で作るのも面倒だし、腹もそれ程減ってはいない。



「神君、お早う。」



その声に整備の手を止めて振り返ると、夏休みなのに制服を着た一葉が立っていた。



「おぉ、随分早く来たんだな。」
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