なんでも屋 神…最終幕

イトさんの葬式は弔問者が少ないと言う事もあり、お袋が出来る限り自分で準備していた。



途中で一葉が泣き出した場面もあったが、それ以外は何事もなく、しめやかなまま終わった。



全てを終えたのは、夕方の四時を過ぎたぐらい。



部屋に行って喪服を脱ぎ、濃いめのデニムとサーフ系の黒いＴシャツを着て家を出る。



色んな準備をしている内に、時計の針は六時を示していた。



お袋は玄関で出掛けの俺を見ても、何も言わなかった。



西の空では夕日に呼び名を変えた太陽が、今日最後の踏ん張りを見せている。



露出した腕が夕焼け色に染まる中、熱を失いかけてきた風を受けながら、神崎鷹臣の元へマジェスティを走らせた。