なんでも屋 神…最終幕
短めに切った黒髪を全て後ろに撫でつけ、色黒な顔に浮かぶ揃えた眉毛。


奥二重の上には、古傷が見える。



通った鼻筋の下、口角の脇には表情を消しているくせに、深く濃く刻まれた笑み皺。



首には突き出るような喉仏が有り、俺と似ている体格の大きさは、スーツの下に引き締まった身体を想像させる。



不審者が近付いてきた事を感じ取った三人のボディーガードは、薄っぺらな鞄を神崎鷹臣の前に翳した。



俺が銃を携帯している事を危惧し、鞄の中には防弾用に鉄板が入っているのだろう。



沈み行く夕日が最後の意地で見せた光は、神崎鷹臣の背後で後光となり、神がかったものを感じるには十分だった。
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