なんでも屋 神…最終幕
「あんた確か、[狼我會]に雇われてた…。」



揺れている葉巻髭の隣、ハンドルを握っている長身痩躯な男の横顔を覗くと、確かに見覚えの有る顔だった。



「やっと気付いたのかよ。偶に神崎の旦那に呼ばれちゃ、こうやってボディガードの真似事やってんのさ。まぁ、金さえ貰えれば何だってやるがね。」



その言葉には、[狼我會]と神崎鷹臣は繋がっていないと言いたげだったが、そんな事は言われなくても分かっていた。



金を貰えば何でもする…俺とは似て非なる、裏の依頼だけを専門に請け負う、闇に紛れた仕事屋。



あの時手こずったのも納得出来る話しだ。



いや、どう考えても経験の差で劣る俺が、よく勝てたものだと言っても良い。
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