なんでも屋 神…最終幕
「別に知り合いって程じゃないですよ。前の仕事で苦湯を飲まされたってとこですかね。まぁ、旦那の息子なら、それも少しは納得出来ましたよ。俺達には気を使わず、再会の時間を楽しんで下さいや。」



そう言うと葉巻髭の殿山は前を向き、今まで五月蠅かった口を閉じ、白いレース付きの助手席に身体を委ねた。



殿山が身体を委ねたその助手席を、後ろから力の限り蹴り上げた。



「此奴と血が繋がってるから負けたのも納得出来るだ?ふざけんな!此奴と俺は何の関係無い!」



神崎鷹臣の存在を否定する事は、自分自身を否定する事にもなるが、俺はどうしても神崎鷹臣を認める訳にはいかない。



俺の蹴りに対する殿山の返事は無し。



どうやら、再会を…と言った手前、完璧な岩を演じているようだ。
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