なんでも屋 神…最終幕
「何故顔を出さなかったのか、か?俺は家を出る時に勘当された身だ。それに俺からも縁は切ってる。顔を出さなきゃならない理由が見当たらない。」



この抑揚のない口調で、政界に巣くう古狸を相手にしてきたのだろう。



それ以上の追求は不可能だった。



「そうかい。血も涙も無いあんたには、こっちの話題の方が良かったかな?[神堂組]と荒木、そしてあんたが写ってあるメモリースティックは俺が持ってる。」



前の二人も神崎と[神堂組]の繋がりを知っているのか、シートからはみ出た肩が反応を示した。



「未だそれをどうするかは決めてないが、あんたにとっちゃ死活問題になりかねないよな?」



純然たる脅し…要求する事なんて一つも無かったが、この隣に座る能面をどうにかして崩してやりたかった。
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