なんでも屋 神…最終幕
俺が放心状態の内に、車は神崎の事務所が入ったビルの前に着いていた。



視点が定まらないまま俺が車を降りると、神崎を乗せた車はヘッドライトの流れへと戻っていく。



神崎との短い会話の中で気付かされたのは、俺の中で幾ら決着が付いていようと、他の人はそう思っていないという事。



そして、人知れずお袋が悩み苦しんでいたという事…。



過去に有る問題と、現在も続いている問題が両肩に重くのし掛かる。



自分に何かを出来る力が有るなんて思ってなかったが、なんでも屋をやり始めてから、過信が生まれていたのかも知れない。



…改めて、自分の無力さを痛感した。
< 416 / 447 >

この作品をシェア

pagetop