なんでも屋 神…最終幕
「何だよ、急に着物なんか着て。一瞬家を間違えたのかと思ったぞ。」



リビングから漂ってくる美味しそうな匂いに、自然と鼻が引き寄せられるようだった。



イトさんから料理を教えて貰っていたとはいえ、一葉には作れるレパートリーが少ない。



それでも一葉の作れるレパートリーを思い浮かべていると、お袋から衝撃的な言葉が鼓膜に届いた。



「ごたごた言ってないで、さっさとリビングに来な。今日からは私がご飯を作るからね。」



瞬間的に産業廃棄物の山が脳内に思い浮かび、後退りしそうになった。



いや、背中が一葉に当たったから、知らぬ間に後退りしていたのだろう。
< 425 / 447 >

この作品をシェア

pagetop