なんでも屋 神…最終幕
出版社からの帰り道、俺は何も考えず家に向かっていた。



そう…俺はこの時、これから起こる未来に何も気付いていなかったんだ。



マコのスクープした写真が記事となり、神崎は必死の抵抗を見せるのかと思いきや、党内外から追求される前に、あっさりと政界から姿を消した。



イトさんが亡くなった事や、神堂が引退した事を考えて、神崎はこれ以上恩義を尽くす事は無いと考えたのだろう。



本当は、ずっとそうしたいと考えていたのかもしれない。



俺を激しく批判したのも、メモリースティックの中身を世間に曝すようし向ける為…。



長年政界に巣くう古狸を相手にしてきただけあって、俺の父親は相当食えない奴らしい。



結果として、俺の意に反してまんまと神崎の目論見どおり、奴はたった一人の男となってしまった。



そのあとで、神崎鷹臣とお袋がどうなったかまでは、話さないでおこう。
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