なんでも屋 神…最終幕
私はその影が誰だか気付かなかったけど、門まで歩いている途中に気付いた。



「兄貴から暇を出されてな。」



神君は、そうか…と呟いて、少しの間黙ってしまった。



私の目には、街灯に照らされて大きく縦長に伸びる二つの影が映っている。



久しぶりに見たノリは、街灯の光でくっきりと顔に陰影を刻む程痩せて見えた。



でも、神君がその事に触れないって事は、私の知らない所でノリと会ってたんだ。



「これからな、少し日本を回ろうと思ってるんだ。一緒に来るか?」
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