なんでも屋 神…最終幕
ノリの返事を聞かない内に、神君はデニムのポケットから取り出したタバコに火を付け、吐き出した煙を暗闇に泳がせた。



「暇…だしな。」



まるで悪戯をしに行く子供みたいに、神君とノリは笑みを交わした。



…なんか、こういう所を見ると、男って良いなぁって思う。



バイクを取りに、神君はガレージへと向かった。



数秒遅れて、エンジンのかかる音が聞こえてくる。



「行かせて良いのか?」



少し申し訳なさそうに聞いてきたノリに、約束を交わしたばかりの私は、下を向きながらもしっかりと頷いた。
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