なんでも屋 神…最終幕
「お袋の金庫から借りてきた。帰ってきたら、また借金の催促されるんだろうな。」



事も無げにそう言った神君に、私とノリは顔を見合わせた後で笑ってしまった。



全てを包み込んでしまうような夜空に、三人の大きな笑い声も吸い込まれていく。



「で?先ずはどっちに行く?」



家の前には、左右に続くそれぞれの道が有る。



口元に有る吸いかけのタバコを、神君は人差し指で上空に弾いた…。



夜空に、小さな火の輪が描かれる。
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