なんでも屋 神…最終幕

第四章

あれからなんの進展もないまま三日が過ぎ、やはり無理かと思い始めていた四日目の朝、事務所の扉に手を掛けようとした時、携帯のベルが鳴り響く。



待ち望んでいた相手からの着信かと思ったが、ポケットの中から聞こえる、くぐもった着信音の違いでメールだと気付く。



メールの主は一葉…今日もヒロに付いて、千里や優香とは違う場所からおやじを捜すとの連絡。



初日、二日目と、鼻の頭やおでこを日焼けで赤く染めた一葉の顔を思いだし、ポケットに携帯を押し込みながら笑いを噛み殺した。



「鍵なら開いてるぞ。」


…また彼奴か。



この街の表が暇なら、昼は見えない裏社会もまた同じく、時間を持て余しているらしい…。