なんでも屋 神…最終幕
あの重苦しい威圧感を漂わせ、この街で一時代を築き上げた神堂も、遂に引退を迎える。



何事にも始まりがあれば終わりもある…ただ新たな時代の始まりに、争いが起こらない事を祈るだけだ。



そんな事を思っていると、ユーズド加工の穴を、アロハの裏地で縫い止めていたポケットの中が揺れ始めた。



携帯を取り出して液晶に視線を落とすと、そこには待ち望んでいた人物の名前が、十一桁の番号と共に点滅している。



言葉少なに報告を聞き、これから大至急そっちに向かうと伝え、短い通話を終えた。



待ち人からの着信だと、何故か音まで踊って聞こえるのは、俺だけの勘違いか気のせいだろうか?
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