なんでも屋 神…最終幕
周りにビル群が無いこの公園は、植樹された枝の隙間を、僅かな微風が通り抜けていき、この街で唯一自然の香りがする場所だ。



「神君の読みはピタリじゃったよ。流石じゃのう。」



そう言ってニカッと微笑む大さんの表情には、溝のような深い皺が刻まれた。



「有り難う大さん。協力してくれて本当に感謝してるよ。」



「なんのなんの、儂等にしたらついでみたいなもんじゃよ。あの約束を皆楽しみにしとるからの。」



見合わせた顔で笑みを交わし、約束の日を週明けの月曜日にして貰い、大さんと別れて事務所へと戻った。
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