なんでも屋 神…最終幕
客が出入りする度に、中から冷房が漏れてくるコンビニの前は、長時間居座るには最適かもしれない。



千里と俺の顔を見合わせ、優香はどうしたら良いものかと、困惑の様子を隠せないでいる。



「私の事は気にしないで良いから行ってきなよ。」



目の前を通り行く人々からは視線を外さす、優香の気持ちを知っているであろう千里は、あくまで平板な口調でそう告げた。



その真意の程が分からない優香は、俺に助けを求めるような顔をしたが、千里は同情や気遣いで一緒に居て欲しくはないのだ。



「…じゃあ、ちょっとだけ行ってくるね。直ぐ戻ってくるから!」
< 57 / 447 >

この作品をシェア

pagetop