なんでも屋 神…最終幕
思わず舌打ちして、一葉からかかってきた電話を一方的に切る。



千里の件で、[湊開発]の事をすっかり忘れていた。



奥が二重になっているデスクの引き出しを開け、冷たく銀色に光るベレッタを取り出してベルト部に押し込む。



そのまま事務所を出ようとドアを開けると、そこには疲れ果てたようなマコが立っていた。



昼もすれ違った事を思い出したが、今はヒロの事を優先しなければならない。



「…神。」



思い詰めたような顔をしているマコは、疲労感を表情に表していたが、今は一分一秒も惜しい。
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