なんでも屋 神…最終幕
俺の最後の問いかけにも、余裕の有るにやけ面を保ったままの達磨は、タバコのヤニで黄ばんだ歯を見せた。



その顔が俺の感情を逆立てていく感じがして、照準の先を気付かれないように、眉間から左耳の上部に定める。



天井からぶら下がる蛍光灯に照らされ、銀メッキ塗装されたベレッタが、その光を受け流すように鈍く光を放つ。



何時発射されるか分からない状況に、周りの組員達は呼吸をするのも困難そうに銃身の先を見つめている。



白く罅の入った、濃い茶色のハイバックチェアに座る組長との距離は、凡そ四メートル。



肩先の筋肉から力を抜いていき、有る程度のゆとりを持たせてから、溜め息を吐くように肺の中の空気を出す動作に合わせ、迷わず引き金を引いた。
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