なんでも屋 神…最終幕
「え?うん、私が来た時にはドアの鍵だけ開いてて、中は真っ暗だったよ。」



ベレッタのごつごつとした感触に違和感が生じたが、一葉の手前、なんともないような顔をしてデスクの椅子に腰を下ろした。



「今日はもう帰れるんでしょ?」



さっきまで心配そうにしていた顔色も吹き飛び、胸元の空いたVネックの黒いTシャツを揺らしながら、一葉は俺の真向かいに両手をついた。



「マスターにコーヒーを二つ頼んであるから、それを飲んだら今日は閉めよう。」



数分後に[トレイン]のマスターが運んできたコーヒーを啜り、十分にその香りを楽しんだ俺は、今回も依頼を無事終えた事を実感した。
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