子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「おばさんが許可してるんだ。わざわざおじさんに許可を取る必要なんてないだろ? おまけに、お前忘れてるかもしれないが、俺たちの両親、お互いに俺たちが結婚することを望んでるんだぞ? 母親同士のただの暴走じゃねぇから」
「ぇえっ!? ママとおばさんだけの勝手な暴走でしょ!?」
「お前な~…。二人だけの暴走なら、ここまで結婚しようと何やら画策している二人を、いくらなんでも止めるだろうが。だけど、俺たちの親父は何一つ止める行為をしてないぞ」
言われてみれば、その通りだけど………。
「だ、だけどっ! もしかしたら、パパたちはママたちの暴走を知らないのかも。意外とママたちは水面下で動いてるとか………」
「ないだろ。あれだけ、大っぴらに騒いでるのに?」
「うっ・・・」
全くその通りの圭くんの指摘に言い返す言葉もない。
「で、でも! あたしはパパのたった一人の娘だよ? そんな可愛い娘が毒牙にかかろうとしているのをほっておくわけ…」
「ほ~う。その毒牙っていうのは、誰のことを指してんだ?」
にっこりとこれ以上ないほどの笑みを浮かべられて、あたしは自分が勢いに任せて失言してしまったことに気づく。
今更慌てて、口を押えたところで一度発してしまった言葉は戻っては来ない。
にっこりと微笑みながらも、こめかみがぴくぴく動いている圭くんの姿に、あたしはこれ以上ないほど、自分の危機を察知する。
や、やややややばい、やばいって!!