子供+大人=恋?の方程式(応用編)


「え、え~っと…。うん、やっぱり、ママが言ったとしても、人の家に泊めてもらうなんて、いくらなんでも迷惑だよ。幸い、家の鍵はちゃんと持ってるし、あたし、家に帰るね」





 圭くんの顔を一度も見ることもなく、あたしはツツツツツ…と壁沿いに沿っていき、圭くんから離れていく。


 ・・・・・だけど、そんなにうまくいくはずがなくて・・・


「ぐぇ!」





 あたしは思いっきり後ろから襟首を掴まれた。


 そのせいで、服が首元を締め付ける。


「なに、勝手に一人で結論だしてんだよ。はい、そうですかって帰すと思ってんのか?」





 耳元で低く囁く圭くんに、あたしは全力で首を横に振る。





 お、思ってません!!

っていうか、怖いって!!





 圭くんに対して、背中を向けていたあたしは、圭くんの腕によりくるりと体を回転させられる。


 目と目が合った瞬間に、圭くんの口がにやりと上がる。


「ひ、ひぃっ!」





 なんだろう。


 すごく自分の身に危険が迫った気がする。


「茅乃…。俺さ、思うんだけど…」


「な、なななななにを!?」


「お前が俺に対して、異常なほどに反応するのってさ、それを期待してたりする?」


「・・・・・はい?」





 圭くんの言っている意味がさっぱりわかりませんが………。


 期待って、何を?


「だから、俺は茅乃の気持ちが追いついてないから、待つ気持ちではいるんだけど、実際のところは、お前、俺とそうなることを期待してるのかなって……」


「・・・・・えぇええええええ!?」





 どこをどう解釈したら、そう自分の都合のいい結論へと導き出せるの!?





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