子供+大人=恋?の方程式(応用編)





 お前っ!


 可愛らしく首を傾げるんじゃねぇ!


 俺のなけなしの理性がぶっ飛ぶだろうが!





 そんなこと口に出しては言えないため、俺は心の中で喚き散らす。


「そんな髪から滴をぽたぽた落としてたら、風邪ひくだろうが」


「ひかないよ~…。だって、あたし、いつもこうだもん」





 ああ言えばこう言う。


 本当は、その髪が半渇きの状態は俺の理性がぶっ飛びそうで怖いっていうのが理由だが、本当のことを言うことはできない。


 だから―――…


「うっせえよ! 俺の家に泊まっておいて、それでお前が風邪でもひいたりしたら、おばさんに申し訳ないだろうが」





 尤もらしい言い訳を告げてやった。


 すると、納得したのか茅乃は「は~い」と返事をしながら、洗面所へと戻っていく。


 そして、すぐにドライヤーを持って、俺の前に戻ってきた。


「でも、圭くん。ドライヤー持って来いって、なんで?」


「いいから貸せ」





 茅乃からドライヤーを奪い取ると、俺はコンセントに差し込んだ。


 そして、俺はベッドに座った。


「ほら、来い」


「へ?」


「『へ?』じゃねぇよ。ここに座れって言ってんだよ」


「な、なんで?」





 さっきから、『なんで?』『なんで?』って、うるせぇ奴だな。





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