子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「なんでもないことないだろ。さっさと言えよ」
「だ、だから、なんでもないって!!」
ムキになるところがますます怪しいということに、こいつは気づいているのだろうか?
―――いや…、絶対に気づいてないな………。
前を向き、俯いたままでいる茅乃。
そんな茅乃の意識を俺に向けされるために、俺は微かに見える茅乃の項(うなじ)を指でスッと撫でた。
「あっ…ん……っ」
!!
予想外の茅乃の声に、俺は思わず茅乃の項に這わせていた指を離した。
「お、お前っ! なんつう声出してんだよ!」
経験ないくせに、なんでそんな色っぽい声出すんだ!?
こっちがびっくりしただろうが。
「だ、だって…。別に、出そうとして出したわけじゃ……。圭くんが、あんな風にあたしが弱いところを触るから……。自分だって、イヤらしい手つきであたしの首を触ったじゃん!」
眉を顰めて、体ごと振り返り、俺に向かって詰め寄ってくる茅乃。
な、なんで、俺、今、茅乃に迫られてるんだ?
ベッドの上に座っていたために、茅乃に詰め寄られ、いつの間にか俺はベッドに倒れ込むような体勢に。
そして、恐らく茅乃は自分が今、俺を襲っているような体勢になっていることに全く気付いてないだろう。
茅乃は、倒れ込んだ俺に覆いかぶさるような形で俺のことを見下ろしていた。
さっきまで俺が抱こうとしていたら、慌てふためいて逃げ惑っていたくせに………。
「今のは、絶対に圭くんが悪いっ!」
ほらな。
こいつは、今自分が俺に対してどのような体勢になっているのかも全く気付いちゃいねぇ。
だからこそ、こんな大胆な体勢になっているのだろうけど・・・。