子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「お前…、感じてたのか?」
「・・・・・は、はあ!? か、感じるって…、え? え? えぇ!? いやいやいや」
全力で否定する茅乃。
だけど、どう考えてみても茅乃が言っていたことは、俺に髪を乾かしてもらっていた時に変な気持ちになったということしか―――…
というか、こいつ、俺にあんな些細なことで感じてたのか………
うれしさから、口の端が無意識に上がっていくのが自分でもわかった。
「ち、違うから!!」
俺の顔を見て、何かを感じたのか茅乃は必死な顔で否定する。
だけど、否定したところですでに遅い。
必死に否定すると、余計にそれが的を得ていた答えだと言っているように思えた。
「なんなら、ご要望に応えようか?」
「ひぃっ! け、けけけけ結構です! 断固、お断りしますっ!」
うわっ、マジ、ツボになりそうだ…。
茅乃の奴、自分が怖がれば怖がるほど、俺のツボを押しているってことわかってないんだろうな。
見事なまでの反応に、吹き出しそうになる。
そんな風に思っていると、ぐぅ~~~…と明らかに腹の虫の音が聞こえてきた。
チラリと茅乃へと視線を落とすと、顔を真っ赤に染め、口をパクパクさせている茅乃の姿が目に映った。
「そういや、晩飯、まだ食ってなかったな……」
俺の頭の中では、茅乃が俺の家に泊まるってことで晩飯のことなんて、吹っ飛んでたからな。
「飯…。お前、風呂入っちまったから、外に食べに行くのって嫌だよな?」
腕を掴んで茅乃の体を起こしてやる。