子供+大人=恋?の方程式(応用編)
洗面所から出た俺が見たのは、未だにベッドに入ることもなく、その場に立ち尽くす茅乃。
「予想通り…」
ボソッと言った言葉に、ビクッと反応して俺のことを見てくる茅乃。
「先に入って寝てろって言っただろ?」
「それはそうなんだけど……」
未だにもじもじと、いつもの茅乃らしくない行動をされて、少しだがイラッとした。
「お前、俺がトイレから出てくるまでにベッドに入ってないと、襲うぞ」
「ひいっ! は、入ります! 寝ます!」
そう言うと、茅乃はあれだけベッドに入りづらそうにしていたというのに、さっさとベッドの中へと入って行った。
「―――ったく…」
お前よりも、問題は俺のほうなんだぞ。
そのことを、茅乃は全然わかっていない。
惚れた女を目の前にして、我慢しなくてはいけないということがどれだけ大変かということを―――…。
実際、俺もこんなにつらいとは、知らなかったんだけどな。
今までの俺は目の前に女がいて、我慢したことなんて全くなかったし。
トイレから出て、俺は「ハァ…」と息を吐いた。
とにかく、平常心だ。
冷静に、冷静に――…
部屋の電気を消してから、ベッドへと入る。
すると、ビクッと茅乃が反応したのがわかった。