子供+大人=恋?の方程式(応用編)
「まだ…、起きてるのか?」
「う、うん…」
壁のほうを向いたまま、俺に背を向けた状態で茅乃はコクリと頷く。
「―――眠れない…とか?」
「うん…。さっきので、目が冴えちゃって…」
「そりゃ、ご愁傷様。俺は、さっさと寝かせてもらうぞ」
「えっ!? 圭くん、本当に寝ちゃうの!?」
さっさと俺が寝たほうが、茅乃も安心するだろうと思っての発言だったのだが、茅乃は俺の方へと体を向けると、あおむけの状態で寝ていた俺の顔を覗き込んできた。
「なんだよ、寝たら悪いのか? それとも、お前、何か期待してるとか?」
てっきり即座に否定の言葉を告げると思っていた茅乃は、「へ?」と言った後、顔を赤くし目を彷徨わせてから、首を横に振った。
今――…、こいつ、否定するまでの間、間があったよな?
期待…してたのか?
よく考えてみると、茅乃は自分の思っていることを素直に口に出す性格じゃない。
俺ほどひねくれた性格ではないが、素直になれないという点だけは俺とこいつの共通点だ。
つまり―――…